核変換 2011 8 28
書名 核変換 常温核融合の真実
著者 水野 忠彦 工学社
常温核融合は、現象として起きている。
しかし、それを説明できる理論がないから公表できない。
これが、常温核融合の現状だと思います。
この本は、1997年12月1日初版発行です。
なぜ、今頃になって、この本を取り上げるのかというと、
今年の福島原子力発電所の事故を受けて、
国民の間に、「核」に対する関心が非常に高まり、
同時に、「核」に対する知識も深まりました。
こうした機会において、集合知を利用したいと考えたからです。
従来、核技術という分野は、
どちらかと言えば、マイナーな分野で研究者も少ないと思います。
今まで、こうした分野には関心がなかった人でも、
実は才能があり、そういう才能が埋もれていた可能性があります。
多くの科学者に対して、いや未来の科学者に対して、
「眠れる才能、目覚めよ」という思い(祈り)です。
さて、この本は、北海道大学工学部助手で工学博士の著者による、
悪戦苦闘の、いや科学者としての記録です。
(以下、引用)
「核変換」とは、原子が別の原子になることで、
通常は、核分裂か核融合反応か、
放射性物質が、より安定な原子になる際に、
いろいろな放射線を出して起こる現象である。
そのときには同時に巨大なエネルギーが生じる。
これ以外では、加速器などの装置を使って、
外から莫大なエネルギーを与えてやらなければ起こらない。
ところが、生物では非常に低いエネルギー変換が、
起こるのではないかということが、
四半世紀も前に提唱された。
ただ、化学エネルギーと核のエネルギーとでは、
10桁も違っているため、
そのようなことは理論的には起こらないと考えるのが、
従来の常識であった。
しかし、ここに来て、ある種の条件下、
つまり電気化学的な反応によって、
変換が実際に起きていることが実験的にわかってきた。
(以上、引用)
科学 2008 5 10
日本の科学界は、権威主義に陥っていないだろうか。
若者は真理を求め、老人は権威と名誉を求める。
若い時は反骨精神を持っていても、年を取れば勲章が欲しくなる。
そもそも、科学とは、常識を疑うことから始まる。
たとえ、それが、科学的常識でも。
しかし、年を取ると、そうしたことができなくなる。
科学者は、意外にも、権威に弱い。
旧い時代が終わっていく。
若者は真理を求め、老人は権威と名誉を求める。